にんじんとツナと卵炒め|「わたしの味」

にんじんとツナと卵炒めの完成

休日の朝。前日に作った「豆と野菜と豚肉の煮込み」は、一晩経ってさらにおいしくなっていました。

その続きとして、今日は同じ本から選んだメニュー「にんじんとツナの卵炒め」に挑戦した記録を残しておこうと思います。


■ 「わたしの味」のいちばん最初にあったレシピ

今回参考にしたのは、栗原はるみさんの本『わたしの味』。ページを開いて最初に出てくるのが、この「にんじんとツナの卵炒め」です。

前回の「豆と野菜と豚肉の煮込み」は、材料を揃えるところから少しハードル高めでしたが、このレシピは、家にあるものですぐに作れそうです。それでも、ただサッと作ってしまうのではなく、今回も本をじっくり読み込みました。

レシピ本には、小さなエッセイがたくさん添えられています。週末に残り野菜を切ってストックしておくこと。にんじんを千切りにするときの形で、食感や表情が変わること。ページのあちこちに、そんな丁寧な暮らしのヒントが散りばめられているので、私はどの部屋にいてもこの本をずっと読んだり眺めたりしているような状態です。


■ 下ごしらえの時間も、私には大切なひととき

にんじん、ツナ、卵、調味料の下ごしらえの様子

普段の私は、皮付きのまま、思いついた形に切ることが多いのですが、今回はレシピに忠実に、にんじんの皮をむくところから始めました。

包丁をちゃんと研いで、にんじんをスライスし、千切りにしていきます。同じ5〜6cmの長さでも、長方形にスライスしてから切るか、うさぎの耳のように斜めに切ってから千切りにするかで、千切りの表情が違ってくるようなので、

「これは経験しておきたい」

と思いつつ、私のにんじんたちは長方形にも、うさぎの耳にもなりにくい小ぶりなもので、端っこ感のある千切りがたくさん出来上がりました。

栗原はるみさんの本には週末に野菜を切っておくことも書かれてありました。このスライスが冷蔵庫にストックされていたら、平日のごはん作りが楽になるのもわかります。

にんじんを切るというだけの作業。普段は見落としがちな作業が、今の私にとっては癒しになりました。

ツナのオイルを切り、しっかりほぐしておく。卵を割って溶き、しょうゆベースの合わせ調味料も、あらかじめ計量しておきます。

「調理が始まったら、さっと入れられるようにしておく」——料理教室のように、すべて準備が整った状態になったので、私はコンロに火をつけました。


■ 音と香り。にんじんとツナの卵炒め

ストウブ24cmの鍋でにんじんを炒めているところ

大きなフライパンは持っていないので、今回はストウブの24cmの鍋を使って炒めることにしました。

オリーブオイルを温め、たっぷりの千切りにんじんを入れると、じゅぅ、と小気味いい音がキッチンに響きます。

音に合わせるように、オレンジ色がどんどん鮮やかに変化していく。まるで音と光の演出のようです。

さっと炒めたにんじんにツナを散らすように加えているところ

オイルでコートされたにんじんが熱を帯びて、青い香りが甘さに変わりかけたとき、火が入りすぎないうちに、ツナを全体に「散らす」ように加えます。

合わせ調味料を加えて混ぜる。最後に溶き卵をぐるりと回し入れて火を止めます。

あとは余熱で卵に火を通しながら、大きく混ぜて器へ。

にんじんとツナと卵炒めの完成です

ひと口味見をして驚いたのは「にんじんのにおいがまったく気にならない」ということ。

素材本来の甘さがひきたち、卵もふんわりと、、、甘い。ツナは調味料のような存在で違和感なく全体にマッチしていて、、、

そう、とにかくおいしいのです!

本の最初に載っているメニューにしては地味なメニューと侮るなかれ。きっと何度も試作を重ねて出来上がったレシピなんだろうなぁと、しみじみとした感動を味わいました。


■ 豆と豚肉の煮込みと一緒に、ワンプレートの幸せごはん

にんじんとツナの卵炒めをのせたワンプレートごはん

この日は土鍋で炊くご飯に、少しだけ酒粕麹を混ぜて炊きました。にんじんとツナの卵炒め、そして前日に作った豆と野菜と豚肉の煮込みをワンプレートに。

お砂糖はどこにも使っていないのに、ご飯の甘さ、にんじんの甘さ、豚肉の煮込みのコク。

お皿のあちこちから、自然な甘みがふんわりと広がりました。

窓の外は雪が降りそうな空模様で、風も冷たく強くなってきました。でも、口の中は炊き立てのご飯であつあつ。にんじんのシャキシャキ感を残したほんのり甘みのある卵炒めは、それだけでご飯が進みます。

デミグラスソースのように旨みの詰まった豚肉の煮込みと一緒に頬張ると、口から白い湯気がこぼれました。

寒さのおかげで、今この瞬間がいっそう贅沢な時間に思えました。


■ 小さな挑戦は、今の私にちょうどいい

突発性難聴の後遺症なのか、耳鳴りや頭痛が続く日もあります。大きな挑戦をするには少しエネルギーが足りないな…と感じるときも、正直あります。

それでも、本を開き、丁寧に読み込み、材料を揃え、順番どおりに作って味わう。その一つひとつのステップが、今の私にはちょうどいい「小さな挑戦」なのだと思います。

いつもの「なんとなく目分量」で作る料理も好きなのですが、たまにはプロのレシピに素直に従ってみる。そこには、発見や、暮らしを整えてくれるヒントがたくさんありました。

今日の「にんじんとツナの卵炒め」は、そんな小さな挑戦のひとつ。私ととても相性が良い挑戦に出会えた気がしています。

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