耳鳴りで眠れない夜のあなたへ。突発性難聴・回復記録、始めます。

大切な人の1人から連絡があった。
説明しにくい不調で、周りにもわかってもらえない。日中は気にならないのに、夜になると頭が覚醒していく。音が聞こえているか、つい確認してしまう。果たして治るのか——夜になると憂鬱になる。
ほんの数ヶ月前の私もそこにいた。
2024年10月、私は突発性難聴で倒れた。出張先の高速道路のパーキングエリアで、めまいで動けなくなった。そこから点滴20回。それに加え、1日6回薬を飲み続ける。耳鳴りと、左の側面が常に重い。めまいと、起き上がれない日々。
約520日。私の心と身体は揺らぎ続けた。
でも今年の3月、ふと、気づいた。私に戻った気がする、と。
耳鳴りは今もある。完全に元通りではないのだけど、無理に治ると思い込んでいる必死さも抜けて、言葉では表現しづらいのだけど、とにかく、暗いトンネルの中にいる、あの孤独な気持ちがなくなっていた。
私はそんなことを思うタイプではないのだけれど、本当に長いトンネルの中にいる気がしていた。
灯りが見えなくても灯りがあるつもりで、不安なまま進んでいたら、それは、ある日、ふと、おとずれたとしか言いようがないのだけど、抜け出た感覚が確かにした。不思議なのだけど。
その頃から回復するまでの私の日記は、読み返すことも難しいくらいに崩れた文字で書かれている日もある。
左耳は聞こえるようになる、と、心が叫んでも、頭が「それは無理だとわかっているだろう」と語る日も多かった。
だけど、聴力は回復した。私の左耳から風の音もする。いつの間にか、そんな不安な日々があったことも忘れている今がある。
「治るのか」とわからないまま過ごした日々のこと。小さなカイロを耳の近くに当てて寝ていた夜のこと。少し起き上がれるようになって、プリンを焼いた記念日のこと。
私の記録が、同じトンネルの中にいる誰かの、小さな灯りになれたらと思う。
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